主な応用領域
プロセスワークの主な応用領域を大別すると以下のようになります。実際のセッションでは、下記の一つだけに焦点を絞ることも、いくつかを総合して使うこともあります。また、今後新たな領域に応用されていく可能性もあります。
ワークの対象による分類
身体症状のワーク
身体的不調が主観的にどのように経験されているかに焦点を当て、その意味を探っていきます。その経験の質によっては、症状を絵に描いたり、症状の感じにしたがって体を動かりたり、ロールプレイをしたりすることもあります。
夢のワーク
寝ているときに見る夢に焦点を当てます。ユング心理学の影響を深く受けながらも、解釈や分析のみにとどまらず、夢と関係するシグナルを取り上げることで、クライエントが夢の意味を体験的に理解することを助けていきます。
ムーブメントのワーク
動きは、視覚や聴覚よりも意識から遠いため、ドリーミング・プロセスが現れやすいチャンネルです。何気ない体の動きや姿勢などに気づき、その動きを増幅していくことにより、起ころうとしているプロセスに表現の場を与えていきます。
ボディワーク
プロセスワークでは、熱さ冷たさや痛みなど、身体にまつわる体験への自覚を促すための働きかけを総称してボディワークと呼びます。身体接触を伴うワークだけでなく、各自が身体を経験している仕方に最も適した形でワークを展開していきます。
変性/極限意識状態のワーク
プロセスワークでは、意識の多様性を重視します。変性意識状態とは、通常とやや違う感じになる状態で、ちょっとぼーっとしたり怒ったりするような時を含みます。極限意識状態とは、自分がどういう状態なのかまったく自覚できず人にも伝えられないような、通常から最もかけ離れた意識状態をいいます。
これらの意識状態は、実はいつでも誰にでも起こっているとプロセスワークでは考えており、何らかの理由でそこにいる時間が一定期間以上に長く、また自分の意識状態に対する自覚があまりない場合がいわゆる精神病状態だと考えます。それぞれの意識状態に合ったコミュニケーション方法をとりながら、その理由や意味を探っていきます。
コーマワーク
ボディワークと変性/極限意識状態のワークを組み合わせて、コーマ(昏睡)状態の方とのコミュニケーション方法をみつけ、ワークしていきます。その方のご家族や治療スタッフの方たちに昏睡状態についての理解を深めて頂くのにも有効です。
インナーワーク
瞑想など伝統的な手法に加え、プロセスワークのあらゆる技法を用いて、一人で自分の内面を探ります。内面に葛藤がある場合には自分がそのプロセスのファシリテーターになります。
クリエイティビティ(創造性)
夢やセンシエントなど、ふだんと違う意識状態はまた、芸術性や創造性の豊かな源泉でもあります。ドリーミング・プロセスに触れることで私たち一人ひとりに内在する深い創造性や遊び心が活性化し、自分でも思いもかけないような見事なアートが生きる喜びとともに生まれ出てきます。
組織や社会の葛藤解決のワーク
深層民主主義に基づいて、プロセスワークが持つあらゆる技法を組織やコミュニティなどの問題や葛藤場面に応用します。特に、下記グループプロセス/ワールドワークの手法が中心になります。
対象の人数による分類
個人のワーク
最も古典的な、セラピストとクライアントの一対一のワークです。プロセスワークの特徴は、個人のワークでも深層民主主義を重視すること、つまり個人の中にあるさまざまな部分をそれぞれ尊重し対話を促して個人を全体として大切にする姿勢と、問題の中に解決があることを信じて起こっていることの意味深さを探っていく態度にあるでしょう。
関係性のワーク
- a)カップルのワーク
- パートナー同士、あるいは友人同士でも上司と部下でも、二者関係のワークをいいます。その拡大版として、家族のワークも含まれます。
- b)自分自身の葛藤のワーク
- 誰かと関係性の問題があるときに、別にセラピストを持つのではなく、自分とその人の二人でプロセスの完結を目指すワークです。
グループプロセス/ワールドワーク(集団のワーク)
数人から数百人まで、集団を対象とするワークです。深層民主主義に基づいたさまざまな技法で対話を促します。あるトピックについて話し合うために集まったフォーラムまたはセミナー形式の場合もあれば、会社や町など特定の集団の葛藤をワークする場合もあります。世界規模のトピックを扱う場合を<ワールドワーク>と呼びますが、グループの場合はしばしば普遍的なテーマが現れるため、グループワークはほとんどすべてワールドワークと考えてもいいかもしれません。グループを対象とする場合はセラピストではなく、プロセスを促進する人としてファシリテーターと呼びます。

